ぽぷらの小説

「7人の小人」というBL小説を書いています。2日に一度更新目標!

7人の小人~side YZ~

新しい事務所に入ってからの生活は、俺のこれまでのそれとは180度違うものになった。

まず、朝起きたら支度をして事務所のレッスン室に向かった。もちろん、こんな朝からレッスンが予定されているわけではなく、ただの自主練である。何もこんな朝早くに来なくてもと思われていたかもしれないが、これまでに習ったことの復習や苦手な部分の克服には、人がほとんどいないこの朝の時間帯が一番だと思ったからだ。

そこで一時間ほど練習した後、コンビニで適当にパンを買って食べ、そのまま学校へ行った。

学校が終わったらまた事務所へ向かう。今度は定期レッスンのためだ。同じレッスンを受けているのはほとんど俺と同じくらいの年齢の子違ばかりだったため、俺と同じように制服のままレッスン室に駆け込む人は多かった。

そこで通常2~3時間のレッスンを受け、終わったら帰宅して夕食、入浴、就寝。

そんな生活の繰り返しだった。

その間にもモデルの仕事は依然と変わらず入っていた。

ただ俺の場合はモデルの仕事と平行してのプロジェクト参加、という形で事務所に入っていたため、モデルの仕事がある時はその分のレッスン時間をずらしてもらったりと、少し優遇は受けていた。

だが先生達も俺一人のためだけにレッスンに長く時間を割いてはいられない。

土日は毎週、定期レッスンがあったが、俺はモデルの仕事や仕事関係の行事が多くて忙しく、なかなか参加が出来なかった。

土日のレッスンで他の子達はどんどん歌もダンスも上達していくのに、参加ができていない俺はついていけなくて置いていかれるばかりだった。

そうなると、昔から芸能界で生きてきたが故の負け犬根性か、完璧主義な性格からかはわからないが、必死に他の候補生に追いつこうと、朝の自主練により力を入れるようになった。

毎朝1時間だった練習を2時間に増やした。そのために起きる時間も早くなりきつかったが、練習を怠けて落ちこぼれになるよりましだった。

ある朝、この日も2時間の自主練をしようとレッスン室へ向かっている時だった。

「なぁ、おまえもレッスン室行くのか?」 

いきなり後ろから声をかけられた。